Hiker’s DepotにKOKOPELLI PACKRAFT(Nirvana)の用途について問い合わせをし
その回答をメールにて頂いたので記録しておく。
海(瀬戸内海)での航行についてですね。
基本的にパックラフトは河川または内水面での使用を前提として設計されています。
海での使用が決してできないというわけではありませんが、ふたつの問題があります。
-1. 潮流
-2. 風
パックラフトはこの二つに対しての対抗策としてのラダーをもちません。
これがシーカヤックとの最も大きな違いでしょう。
生粋が浅いことが河川、特に源流部にちかい場所でも使用可能になるというメリットを生んでいますが、
逆に風が強い場所ではもろにその影響を受けるということです。
また船型がいわゆるラフトボートのような形ですので、どうしても船足が遅くなります。
シーカヤックと比較しての航行スピードには圧倒的な差があります。
パドルを入れた際の初速も遅いですし、巡行スピードもあがりません。
それは潮流に流された際に脱出が難しくなることを意味します。
ともにシーカヤックのようなラダーがあれば、ある程度の対処ができますが、パックラフトにはその対抗策がないのです。
これがパックラフトを海で使う際の弱点になっています。
逆に言えば、この2点がクリアになれば海でも使えるということです。
- 内湾
- 凪
- 顕著な潮流がない
- 大潮での顕著な潮位変化がない
などの条件に当てはまれば使用は可能です。
瀬戸内海は外洋ではありませんが、
わたしの学生時代にいくつかの大学探検部がゴムボートや中にはビート板で縦断、横断を企画した例があります。
そのなかには潮流で流されて海上保安庁に保護された例があります。
島が多いので、潮位の変化が大きい時や風によっては不規則な潮流が生まれるのでしょうか。
外洋ではありませんが、それなりの注意は必要なのでしょうね。
シーカヤックをお持ちとのことですので、こうしたことは既に熟知されていたとしたら重ね重ねのお話になりすみません。
利用プランは個人的に面白いと思っています。
フェリーにて島に渡り、近隣の島への渡航にKOKOPELLI PACKRAFT(Nirvana)が
利用出来ればと考えています。(瀬戸内の島では、最短距離なら数十メートルから
数百メートルで隣の島へ渡れますので)
軽量&コンパクトの点で担ぐ旅(海沿い)に利用出来ないものか?
瀬戸内海をフィールドにしているシーカヤックショップなどで潮流などを確認した上で、
あとは当日の風を確認した上で、トライするかしないかを判断されればよいでしょう。
シーカヤックでも風や波が強ければ、停滞することは多いでしょうから、そこは同じですね。
風の判断基準をもっとシビアに考えること、航行距離を最初は数十Mくらいの短いものにおさえておくこと
という点を注意いただければと思います。
店としては、海用ではないという点をお伝えしなければいけませんが、
上記のようにその理由をおさえたうえで、それを回避しさえすれば、いろいろとできると思います。
先に船足が遅いと書きましたが、あくまでシーカヤックなどに比べてです。
KOKOPELLIをはじめ近年のパックラフトは数年前のものに比べてバウとスターンがかなり尖った形状に変わっているので、
ラフトボートにくらべれば、直進性はそれなりに向上しているのもたしかです。
シーカヤックを既にやられていらっしゃる方なら、海の感覚も豊富でしょうから、
数回使えば、その差を把握した上での楽しさを見つけられると思います。
以上、当たり前のような内容になりましたが、
ご参考になれば幸いです。
参考サイト
海図購入の為
日本水路協会
潮流潮汐情報のサイト
第六管区海上保安本部 瀬戸内情報局